夢リストのはじまり


夫が大腸がんステージⅣと診断されたあの日、

私たちの頭の中は真っ白になりました。

未来が突然見えなくなり、

何もかもが不安に包まれました。

でも、その不安を抱えたまま

立ち止まるわけにはいきませんでした。

「どうせ人間はいつか死ぬ。

ならば、今この瞬間をどう生きるかが大切だ」

と、夫婦で何度も話し合い、

考え抜いた結果、

いつかやりたいと思っていたことを、

先延ばしにせず叶えていこう

と決めたのです。

まず、私たちは一緒に「夢リスト」を

作ることにしました。

紙を前にしてペンを持ち、

思いつくままに書いていきました。

目指したのは100個!

最初はそんなにたくさんの夢なんて

思いつかないだろうと心配していましたが、

いざ始めてみると、あれもしたい、

これも見たいと

次々に出てきて、

気づけばページは夢で埋め尽くされていました。

実は、このブログを夫婦で始めることも、

そのリストの一つだったのです。

私たちの「夢リスト」の1つ目は、

いつか行きたいねと話していた石垣島。

南国の美しい海と空に包まれて、

家族でのんびり過ごすことを

ずっと夢見ていました。

私は病院勤めの看護師、夫はサラリーマン。

お互いの仕事の都合で

まとまった休みを取るのは簡単ではなく、

石垣島や北海道といった

飛行機で行くような場所は、

いつか子育てが落ち着いたらと

後回しにしていたのです。

しかし、命の限りを感じた今、

いつかではなく、

今やるべき。

リストを眺めていると、

旅行の夢が半分以上を

占めているおいうことに気づきました。

日本全国、まだ見ぬ土地へ。

子供たちと共に家族で笑い合い、

心に刻むような瞬間を重ねていきたい!

という願いが強くありました。

北海道での大自然の冒険から、

沖縄での青い海との触れ合いまで、

どれもがワクワクするような旅の計画です。

そして、残りの半分のリストには、

私たち夫婦や家族が経験してみたいことが

ぎっしり詰まっていました。

夫が「SUP(スタンドアップパドルボード)をやってみたい」と言ったときには、

思わず驚きました。

普段はアクティブなことには

あまり興味を示さない夫が、

そんなことを言い出すなんて!

新しい挑戦に心が踊るのは、

私たちに残された時間の尊さを

強く感じているからかもしれません。

一方で、私もまたやりたいことが

たくさんあります。

子供たちと一緒にキャンプをして、

満点の星空の下で語り合う夜を過ごしたい。

手作りのアルバムを作って、

家族の思い出を一冊の本に閉じ込めたい。

そして、何よりも、

子供たちが大人になったとき、

私たちがどんなふうに過ごし、

どんな夢を追いかけてきたのかを伝えたい。

このブログも、

そんな私たちの

「やってみたかったこと」の一つです。

夫婦で何かを共同で作り上げるのは初めてのこと。

正直、ブログを書き始める前は

どうなるか不安もありましたが、

夫婦で一緒に文章を考えたり、

写真を選んだりする時間は、

私たちにとって新たな楽しみとなりました。

夢リストを作ること自体が、

私たちの人生を再び輝かせるきっかけになりました。

やりたいことがある限り、

私たちの旅は続きます。

夢を描くことは、

未来を生きる力になるのです。

今日もまた、新しい夢に向かって

一歩を踏み出します。


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